『熊本大震災の体験 』

黄檗 賢二
一般社団法人倫理研究所 法人レクチャラー
黄檗建設株式会社 代表取締役

プロフィル
S26年12月 熊本県球磨郡球磨村に生まれる。           
S41年4月   奈良工務店入社 大工の弟子入り           
S46年4月   黄檗建設設立~有限会社~株式会社~現在に至る           
H 6年5月  熊本市倫理法人会入会 ~事務長、~専任幹事拝命           
H10年9月   法人レクチャラ-拝命           
H13年1月   熊本県倫理法人会 幹事長拝命/倫理経営インストラクター拝命                       
 

レポート

子供の頃は、貧しい生活を送っていた。
15歳から大工の丁稚奉公に行く。   
20歳の時に大工道具を買って下請け仕事を始め、
21歳で弟子を採り、現在までに延べ90名の弟子を育ててきた。        
30歳の時にお寺の建築のお声がかかり、以来35年間お寺の建築に携わってきた。

    
倫理歴は24年。私の会社では、毎週月曜日の朝6時から全社員が集まって朝礼をしています。,『職場の教養』を基に前の週の一週間分を材料に振り返りをする、感想を言い合う。その効果は、社員さんが父親として、子供への教育の為になる。また社員さんが子として、親へのかかわり方の勉強になる。倫理は心の勉強をやっている。    
    
仕事をして45年間、仕事が切れたことがない。営業をしたこともない。
仕事は来るものと思っている。笑顔で対応し、お客様に喜んでもらう仕事をしていたらまた返ってくる。紹介もしてくれる。こうした対応は、親が私に教えてくれたこと。まさしく、このことは倫理そのもの。
明るくあいさつ、笑顔で対応。モーニングセミナーで学んだことを実践してみる。親、奥さん家族への対応が最初は、「あれしろ、これしろ」と言っていたが、結局自分が 変わるということ。家事でもなんでも進んで自分からする。いやでなくなります。「みんなが喜ぶことをする」    
    
子供の頃は、貧しい生活をしていてもその貧しさに気付かなかった。
年を重ねるにつれ貧しさに気付くが倫理を学んだお陰で、「親がどれだけ苦労してきたか」という事に気付く。現在は、毎週母親とご飯を食べる。
母親が何度同じことを言っても、ただただ頷く。今あるのは親のお陰。((親孝行は人間の原点に返る))

    
< 熊本大震災の体験>    
4月14日21時26分熊本大震災が発生。

地震が収まった後、自分の建てた神社の確認と市内を見回るが大したことはなかったので一安心する。次の日の夜中、寝ていたらまた地震が発生。今度は、揺れが止まらず「熊本全体がどがんかなったばい」と思いました。近所の人もみんな外の駐車場に出てきていたが、大小の揺れが次から次へときて止まらない。私は家に戻りましたが、みんな家に入るのを怖がり、車の中で過ごされていた。    
    
明るくなってから、また、自分の建てた神社の確認に行くがびくともしていなかった。ニュースでは神社や熊本城、ビルなどいたるところで崩れたりしている映像が流されていた。私は、市内をずーっと廻ってみた。市内至る所で車を寝床にしている人を見た。そして、県庁の前に来た時、福島県からでっかいトラックが援助物資を積んで 止まっていた。福島県からは、地震の第1波のときに援助物資を積んで出発していた。朝6時頃でしたが、その車両(垂れ幕をしていた)を観たとき、涙が吹き出ました。福島県自身が大変なのに熊本のために援助に来てくれた行為に、力が湧いてきた。「頑張らんといかん」。

 

その後、お客さんから苦情が入る。特に、水が止まってトイレや生活用に困っている。そんな中、倫理仲間のヒカリ建設さんから「何か要るものないですか」と連絡を頂き、水だけでなくいろんなものをトラック1台分、大量に届けて頂く。来る人、従業員、ご近所にも配り大変助かりました。一生忘れません。また、佐賀の倫理の方は(断っても)いまだに大型ボトルの水を12本送ってくれています。    
    
~建物の地盤のお話~、~建物の瑕疵保証のお話~、~公共施設・道路の復旧状況~、~身内12人で生活~、    
    
熊本の震災を体験して、いつやってくるかわからないが、自分の家を守る事、人との関わりも大事にしておく、そして、色々と準備しておいてもらいたい。倫理の実践をしていたら、必ず乗り越えられます。

 

会長談

黄檗講師より、次は四国がそろそろ…的なお話も出ましたが、日頃から「災害に対して備えをする」という事と「人との関わりを大切にする」という事が大事ですね。
人が困っていたら支援する心を持つ事。                           
そして、倫理を素直に学び実践するという事。「親孝行」「みんなが喜ぶことをする」ご講話、有難うございました。

モーニングセミナー参加者:29社、30名でした。